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The introduction of joint-research projects in this department

トランスナショナルな公共圏におけるメディア文化とアイデンティティ

2012/03/31 The list of research themes of past

〇共同研究メンバー(*は共同研究代表者)

浜井祐三子(准教授・メディア文化論分野)*

西村龍一 (准教授・メディア文化論分野)

高橋吉文

石橋道大

原田真見

竹中のぞみ

長井裕子

川嵜義和

宇佐見森吉

堀田真紀子

玄武岩

田邉鉄

野坂政司

石川克知

〇研究の背景と課題

本研究は、グローバル化の進行、特に国境を越えた人の移動や情報の伝達によってもたらされるトランスナショナルな空間におけるメディアおよび文化の役割について考察を試みるものであり、特に人々のアイデンティティ形成に果たす役割に注目するということで、移民・ディアスポラ研究、エスニック・メディア研究、カルチュラル・スタディーズなどの諸分野にまたがる研究をめざす研究として、大学院国際広報メディア・観光学院のメディア文化論コースの教員を中心として立ち上げられた。数年後に国際シンポジウムを開催することを視野に入れている。昨年度は研究立ち上げの年であったため、内部、外部の研究者による勉強会、講演会などを活発に行い、今後の研究の方向性を探る年と位置づけ、2つの内部研究会と、1つの研究講演会を開催した他、年度末には、外部から基調講演者を招いての国際シンポジウム「記憶としての戦争、文化としての平和」を開催した。

〇本年度の研究課題

今年度はさらに共同研究を深化させるとともに、より研究課題を明確化させて行きたいと考えている。そのために、内部研究者による研究会、外部研究者を招いて行う講演会、シンポジウムなどを昨年並みの回数、開催したいと考えている。招聘する研究者については、現在検討・交渉中であるが、東アジア地域の戦争の記憶とメディアに関連するシンポジウム、マイノリティ言語の権利と言語復興運動に関する講演会、多文化社会におけるマイノリティの映像表現に関する研究会などが現在、候補に挙がっている。上に記した当初の研究テーマの設定のもと、昨年度の研究会を通じて浮かび上がってきたいくつかの方向性、つまり、

① 国境を越えての移住者によって維持される文化的なネットワークと形成される複合的なアイデンティティ

② マイノリティの文化的生産や主流メディアによるマイノリティの表象と社会との関わり

③ 東アジア地域のように過去の戦争の記憶とそれを取り巻く文化的な表象によって分断された地域に新たな理解と平和の場を作り出すための文化的取り組み

といった研究対象への問題意識をさらに明確化するために、どれも有効なステップであると考える。また、他分野の教員、他の院内共同研究プロジェクトとの有機的連携を図るためにも、このような機会を利用したいと考える。なお、研究メンバーの中では、竹中、原田、玄、浜井が主としてこのような会の企画、実施を行っている。

〇期待される成果

見込まれる成果として、シンポジウム等の成果をジャーナルなどで論文化することを検討する他、公開で研究会、講演会、シンポジウムなどを開催することで、学内外に研究のネットワークを広げることができると考える。
なお、本研究においては、院生の参加を積極的に促すことで、学院の研究に資するところが大きいと考えている。例えば、昨年は研究会の一回において博士院生を発表者としたこと、また各研究会には多数の院生の参加があったことが挙げられる。これは、院生の研究発表の機会を増やし、より多くの教員や学生からコメントを受けることができ、学会や外部研究会での研究発表の予行練習として利用してもらうことにもつながる。また当然、院内外の研究者による第一線の研究に触れる機会を提供することで、多くの学生が大きな刺激を受けることは言うまでもないだろう。

最後に、この研究プロジェクトの立ち上げに当たっては、今後、メディア文化論で開催する国際シンポジウムの準備作業としての意味合いもあったことは上にも述べた。その目的は今も継続している。実際には、昨年度、すでに国際シンポを一度開催し、通常の部局のイニシアティブで開催されているシンポジウムに加えてのエクストラな開催で準備期間も短かったが成功し、学内外からの評判もよく、平日開催にかかわらず多くの参加者があった。テーマとしても、今後の広がりを感じさせるテーマであったため、できれば今年度も取り組みを続け、最終的に開催するシンポジウムをより実りあるものにするため、継続して行きたいと考えている。