2012年5月7日越境するドキュメンタリー「JAM DOCU 江汀」上映会のお知らせ

越境するドキュメンタリー「JAM DOCU 江汀」上映会



韓国済州島南端の江汀(カンジョン)。近年済州島ではオルレ(olle)と呼ばれるウォーキングコースが新しい観光スポットとして脚光を浴びています。そのなかでも最も評判の高い第7コースが江汀を横断します。その江汀が海軍基地建設で重大な局面を迎えています。

済州島は「四・三事件」(1948)という現代史上の惨劇をへて、「世界平和の島」として公式に指定され、ユネスコの世界自然遺産にも登録されています。江汀近海は天然記念物の珊瑚群落や絶対保存地域と指定された塊溶岩クロムビ岩、さらには絶滅危機種のカニやカエルが棲息し、ユネスコも生物圏保全地域に選定しました。江汀の住民や済州の環境団体は基地建設がこうした美しい景観と豊かな生物の多様性を破壊するものだとして、基地建設の決定以来反対運動を続けています。

基地問題は、基地誘致の賛否をめぐる住民同士の反目をもたらし、これまでの穏やかな村の暮らしを乱しコミュニティを破壊しています。日本では、沖縄をはじめ基地建設は重大な問題でありにもかかわらず、こうした江汀の状況はほとんど知らされていません。  

基地の問題は、軍事的な同盟関係が交錯する同時に、対立する東アジアにおいて国家や地域の問題だけでなく、リージョナルな安全保障の問題と切り離せません。日本と韓国、あるいは沖縄と済州島は、こうした越境的な性格をもつ基地問題をどのように共有し、それぞれの思いに共感することができるのでしょうか。

JAM DOCU 江汀(104分)は、この海軍基地反対闘争 をテーマに8人のフリーの監督がそれぞれの視点で描いた記録 からなるオムニバス形式のドキュメンタリー映画です。今回は下記 の通り、8名の監督の中、ヤンドンギュ監督を招いてトークをしていただきます。基地建設を反対する声が、本ドキュメンタリーをとおして越境的な対話と共感の場を作ることができるのでしょうか。上映会ではそうした市民メディアのネットワークによる情報発信と流通の可能性を探ります。



東京

日時 :5月13日(日)14:00-17:00

場所 :立教大学(池袋キャンバス)7号館101号教室

主催 :北海道大学東アジアメディア研究センター

協力 :立教大学異文化コミュニケーション学部



札幌

日時 :5月14日(月)19:00-21:30

場所 :シアターキノ(札幌市中央区狸小路)

主催 :北海道大学東アジアメディア研究センター

【お問い合わせ先】北海道大学東アジアメディア研究センター

〒060-0817 札幌市北区北17条西8丁目 

Tel/ Fax 011-706-6937 

E-mail gen@imc.hokudai.ac.jp