2020年3月17日平田未季准教授による『共同注意場面に基づく日本語指示詞の研究』(単著)出版のお知らせ

言語コミュニケーション論講座平田未季准教授による単著『共同注意場面に基づく日本語指示詞の研究』が、2020年2月にひつじ書房より出版されました。

『共同注意場面に基づく日本語指示詞の研究』表紙

【内容紹介】
本書は、日本語母語話者が目の前の対象へ共同注意を確立するために行うやりとりを観察し、それに基づいたコ系・ソ系・ア系の新たな意味論および語用論的分析を提示するものである。近年の海外の指示詞研究で注目されている「聞き手の注意の状態」などより相互行為的な要因を分析に導入し、直示用法、テキスト内用法、またコ系・ソ系・ア系に後接する「-レ」、「-コ」などの接尾辞も含め、相互行為場面に根差した統合的な日本語指示詞研究を行う。

目次:
第1部 指示詞と共同注意
第1 章 指示詞とは何か―共同注意場面における指示詞の重要性
第2 章 本書の分析の枠組み―注意と会話の推意を用いた指示詞分析

第2部 日本語指示詞の意味論的分析
第3 章 注意概念を用いた「中距離指示」のソ系の再分析
第4 章 ソ系の外部照応用法と内部照応用法の統一的分析
第5 章 無標のコ系と有標のア系―会話の推意理論を用いた指示詞分析
第6 章 注意概念と会話の推意理論を用いた日本語指示詞の体系化への展望

第3部 日本語指示詞の語用論的分析
第7 章 共同注意場面の構造と指示詞選択のダイナミクス
第8 章 おわりに