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研究院紹介

教員プロフィール一覧

西村 龍一 / NISHIMURA Ryuichi

西村 龍一
職 名:
教授
専 攻:
国際広報メディア専攻
担当分野:
メディア文化論

担当授業

現代メディア文化論

授業内容

メディア思想、複製技術、ポストモダン、アニメ

授業には二つの側面がある。ひとつはメディア思想と呼びうるものの読解と再検討である。これはベンヤミンの複製技術論やマクルーハンのメディア論等の古典を踏まえつつ、社会学的なメディア文化論や、ポストモダン思想に関するものを、折々のテーマに従って取り上げている。もうひとつは、メディアそのものの表現媒体としての特性の分析と、この特性を踏まえた上での個々のメディア表現の意味を考察するものである。実写映画、アニメ、現代小説あるいはメディアの概念を拡張することになるがモード論といった対象を過去の授業では取り上げてきた。二つの側面はむろん無関係ではなく、ひとつの授業で総合的に取り上げることも多い。たとえばベンヤミンの言うアウラの喪失というメディア思想を、前田英樹の映像哲学と照らして再検討しつつ、その後の映像作品がむしろ複製メディアにおいてアウラの喪失そのものをいかに作品のテーマとしてきたか等。

経 歴

東京大学人文科学研究科独語独文学修士。「情報の「人形」の形而上学――押井守のゴースト連作について」 「知覚複製メディアとアウラへの意識」 「電話の声とアイデンティティ――『ねじまき鳥クロニクル』あるいはメディア時代の文学」 「隣接性の暴力――ハイナー・ミュラーの喩」

所属学会

日本独文学会、情報文化学会、表象文化論学会

電子メール

ryu@imc.hokudai.ac.jp

研究領域

メディア思想、現代文化論、表象文化論

研究コラム

 思想家・批評家としてのヴァルター・ベンヤミンの幅広い活動領域を追う形で、現在の学院での研究領域に入ってきた。思想としてのベンヤミンを研究している観点からすると、いわゆるメディア思想と呼ばれるものは、あらゆるメディアの基盤にある言語というメディアについての本質的な思考が、往々にして不足しているように思われる。メディア技術が社会や文化を変容させることが、いかに現象的にもっともらしく思われるにしても、その変容の「意味」は言語によって名指され表現されなければならないからだ。メディア思想を根底から考え直すということは、本当は言語に関するひとつの哲学を必要とするのではないか。 

別の観点からすれば、そうした「意味」を招き寄せ発生させる基盤として、社会学者がケータイでの女子高生のおしゃべりに注目するのと少なくとも同じ程度には、現代の優れたメディア表現に注目すべきだと考えている。メディア思想と呼ばれるテクストもまた、多くがメディア理論と言うよりはむしろそのような意味でのメディア表現なのである。