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- 職名:
- 講師
- 担当分野:
- メディア文化論
担当授業
イメージ論演習
授業内容
今日のアカデミズムにおいて、メディア論はあらゆる現象と関わるような、輪郭の定まらない学問分野と言える。そこで、メディア論に先行し、「美学」という18世紀に成立した分野に一旦立ち返り手がかりを探りたい。具体的には、とりわけ「美」「芸術」「感性」(美学の三大キーワード)の問題に焦点を当てる。ダイナミックに進展する学問諸分野を理解する上で、先行する分野に目を向けることは常に有効である。それはたんに過去の問題を理解することにとどまるのではない。多くの近現代的理論は西洋中心であるが、東洋の批判的応答をも主題化し、それによって近代東洋における伝統の再編成などを理解していく。さらに、20世紀後半以降の社会的・政治的環境の中で生まれた新たな課題も取り上げる。このような多角的な視点を通じて、18世紀以来の古典理論がさまざまな歴史的・地域的文脈の中でどのように批判され、変容してきたか、また、新たに形成された課題に対してどのように理論的な裏付けを与え、牽引してきたかについて一つの見方を提供する。この見方はまた、受講者それぞれの研究関心を展開させることに寄与するであろう。
略歴・主要業績
1993年中国上海生まれ、東京大学大学院人文社会系研究科(美学芸術学研究室)修士・博士課程修了(2022年9月単位取得満期退学)、2023年博士号(文学)取得。東京大学東洋文化研究所特任研究員、京都大学(中国哲学)PDを経て現職。
主要業績として 『二十世紀中国美学 『ラオコオン』論争の半世紀』(東京大学南原繁記念出版賞受賞作、東京大学出版会、2025)など
所属学会
美学会、日本中国学会、日本中国文芸研究会(野草会)、東方学会、ヘルダー学会
電子メール
Yidding@imc.hokudai.ac.jp
研究領域
近現代中国、近代西洋、美学、表象文化、文学