開催日時:2021年8月14日(土) 14時00分~ワークショップ<越境する「過去の克服」-沖縄・台湾・済州・光州におけるポスト帝国の運動と言説->のご案内

開催日時:2021年8月14日(土) 14時00分~

場所:北海道大学メディア・コミュニケーション研究院407室*zoomでも配信

本ワークショップは、帝国主義に冷戦構造が折り重なる暴力の連鎖に巻き込まれた戦後の沖縄・台湾・済州・光州が、トランスナショナルに展開する「過去の克服」に向けた運動と言説の土俵を「ポスト帝国」と位置づけ、その実践的意味を問うものである。東アジアでは、国家暴力による被害の様相はさまざまであっても、その運動と言説は国家主義の本質を突くことで、ナショナルな境界を越えた連帯を実践している。それぞれのトラウマへの共感にもとづく連帯は、帝国・解放・冷戦・独裁が複雑に交錯する東アジア独特のポスト帝国の政治地形を指し示している。
台湾の文化研究者の陳光興は、「脱帝国化とは、植民者の自己省察であり、おそらく同様の苦悩であり、また先に過去の自国や自国民が犯した錯誤を認識し、その後で努力して被植民者との間で立てられるべき新たな関係性を発見すること」(『脱帝国』以文社、2011)だという。その新たな関係を模索するためにも、日本の帝国支配の政治的・地理的・文化的状況に依拠する脱帝国=「ポスト帝国」の概念からアプローチすることができるのではないか。東アジアにおけるポスト帝国としての運動と言説を浮き彫りにすることが、歴史の記憶をめぐる対立を乗り越えていくうえでのカギとなる。
*参加ご希望の方は下記連絡先にご連絡ください。

<プログラム>
●14:00~ セッション1
 報告1 玄武岩(北海道大学)
 「台湾における白色テロ時期と移行期正義-「日本語世代」の緑島新生訓導処の体験を中心に」
 報告2 洪玧伸(大阪経済法科大学)
 「沖縄の米軍収容所の中の構造的な暴力とジェンダー-沖縄と朝鮮人女性の経験を中心に」
 コメント 本庄十喜(北海道教育大学)
●15:30~ セッション2
 報告3 藤野陽平(北海道大学)
 「1980年代の日台キリスト教の民主化へ向けた連帯-美麗島事件後の動きを中心に」
 報告4 李美淑(立教大学) 
 「境界を越える対抗的公共圏とメディア実践―画家・富山妙子の「草の根の新しい芸術運動」を中心に」
 コメント 趙基銀(東京外国語大学)
●17:00~ 総合討論
 「ポスト帝国」の東アジア

<主催>
北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院附属東アジアメディア研究センター
問い合わせ・参加申し込み:芳賀(e-mail:eastasian2@imc.hokudai.ac.jp)