開催日時:2023年8月25日(金) 13時00分~研究会「プロパガンダ国家としての中国:情報操作とメディア戦略」開催のお知らせ

開催日時:2023年8月25日(金) 13時00分~

開催形式:対面およびZOOMによるハイブリット開催

ZOOM参加は8月23日(水)までにhttps://forms.gle/UzRA6bNyxzkMfgjA8より参加登録をお願いいたします。研究会前日までにZOOMのURLをメールにて送付します。

 21世紀の権威主義国家は、物理的な強制や暴力に訴えることよりも、検閲やプロパガンダなどの情報操作による政権を維持する傾向がある。中国政治を理解するためにも、中国政府の情報操作とメディア戦略に着目することが必要である。特に習近平が中国共産党の総書記に就任して以来、中国政府はメディアに対する統制を一段と強化している。これにより、共産党のイデオロギーが国民生活のあらゆる側面、つまり中国社会の隅々に浸透するようになっている。中国政府は、テレビや新聞、インターネットといった各種メディアを通じて共産党のイデオロギーや政策を強く押し出し、それを国民に受け入れさせることで、社会の統一性と秩序を維持しようとしている。この動きは、プロパガンダ国家としての中国が再興する可能性を示している。

 中国のプロパガンダ体制は非常に複雑であり、多くの党・政府機関と民間組織が関与している。その中、メディア、すなわち新聞やテレビ、ラジオのような伝統的メディア、そしてソーシャルメディアといった新たなデジタルプラットフォームは、情報の伝播と世論の形成において中心的な役割を担っている。これまでの中国のプロパガンダ研究は、主にその影響力と効果に焦点を当ててきた。最近の研究では、中国のプロパガンダをハード・プロパガンダ(手荒な手段で行った政治宣伝)とソフト・プロパガンダ(相対的に巧妙で洗練された宣伝)に分類し、それぞれのメカニズムと効果を調査した。しかし、中国メディアの実際のプロパガンダの内容について、実証的研究は依然として少ない。そこで、本研究会の目的は、メディア内容の分析を通じて、中国の情報操作の複雑な構造とその運用方法を描き出す。

【プログラム】

第1部 13:00-14:30 研究報告+質疑応答

周源(神戸大学)「中国国営メディアは中央アジアをどう伝えてきたのか」

于海春(北海道大学)、工藤文(日本学術振興会・早稲田大学)「党報Weiboはいかに中国の「両会」を報じたのか――量的テキスト分析によるアプローチ」

第2部 14:45-16:15 研究報告+質疑応答

王冰(北海道大学)「中国共産党によるソーシャルメディアの情報発信戦略:内政面と外交面の視点から」

御器谷裕樹(慶應義塾大学)、中村健太郎(ハーバード大学)「Credibility for Legitimacy? How China Coordinated Its Narratives」

質疑応答と討論

閉会

共催:神戸大学大学院法学研究科・北海道大学メディアコミュニケーション研究院