内容紹介:
激しい論争が続く日本の農業、実は明治初期には大規模化や海外輸出を目指していた。ではなぜ保護主義へと向かっていったのか? その起源を探り、政官業「農政トライアングル」の神話を解体する。
第1章 いつから農業は保護されるようになったのか
1 本書の概要
2 政策アイディアに注目して農政を分析する方法
3 本書の構成
第2章 大農か小農か――明治期の農政をめぐる対立
1 勧農政策
2 産業組合法と農政の転換
3 まとめ
第3章 農務官僚の台頭と小農論の広がり――大正・昭和初期の農政の展開
1 保護主義的性質を強める農業政策
2 小作関連法の政策過程
3 利害構造に注目した説明――合理的選択論
4 政策アイディアに注目した説明――構成主義制度論
5 まとめ
第4章 食料統制システムの構築――戦時期における政府の市場介入
1 米価政策
2 産業組合の権限強化
3 権限強化が行われた理由
4 まとめ
第5章 農山漁村経済更生計画――戦時期における農村の組織化
1 農山漁村経済更生計画
2 利害構造に注目した説明――合理的選択論
3 政策アイディアに注目した説明――構成主義制度論
4 満州移民政策、「皇国農村確立運動」、そして終戦へ
5 まとめ
第6章 日本農政の来た道とこれから
1 農業保護政策の起源
2 戦前農政の遺産
3 現在の農政論争との関連性
4 今後の研究課題
