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部内共同研究プロジェクト

失楽園の観光学――後期近代型マスツーリズムの観点から

2015年8月7日 拡張現実の時代における<場所>と<他者>に関する領域横断的研究

【発表1】
「栄耀の失楽園:タイのビーチリゾートに見る「楽園」
観光地の表と裏」
 市野澤潤平(宮城学院女子大学准教授)

南国のビーチリゾートは、青い海、まぶしい太陽、白い砂、
高 貴な野蛮人・・・といった要素のセットにおいて、
いわゆる「楽園」として表象され、国際観光市場に売り出されてきた。
本発表は、タイのビーチリゾート観光(特に筆者が調査をしてきたプーケットのダイビング観光)を事例として、
「楽園」観光地が必然的に併せ持つ「裏側」に、視線を向ける。
その上で、観光経験および観光地の価値/魅力という観点から、「楽園」観光地の「楽園」性について、考察する。


【発表2】

「テー マパークとしての「楽園」:中 国人団体観光ツアーを動かすメカニズム」
 田中孝枝(多摩大学専任講師)
中 国語で「楽園」と言えば、テー マパークや各種アミューズメントパークを指すことが多いだろう。
対 象は何であれ、とにかく「楽しいところ」といったニュアンスだ。
こ うしたテーマパークとしての「楽園」が国内外に次々とつくり出されている。
そ こには表舞台/裏舞台といった枠組みでは捉えきれない、モノと人の勢いが織りなす「楽しいところ」があり、それを楽しむ観光客がいる。
こ うした中国人団体観光客の動きを国内外のいくつかの事例から紹し、現場で彼らを動かす旅行会社の人々の仕事について、
特に日本のインバウンド観 光を事例に後期近代という視点から考えたい。



【発表3】
「喪失を嘆き、楽園を消費する:フィリピン・
ボラカイ島のビーチリゾートより」
 東賢太朗(名古屋大学准教授)

フィリピン・ボラカイ島では、
大規模な観光開発によって環境破壊が継続的に進行している。
本発表では、ボラカイ島の「楽園観光」の現場で流通する、過去へのノスタルジアを対象とする。
「楽園」の喪失を継続的に嘆き続ける人々が、「楽園」の現在において一体何を語り、行い、求めているのかを明らかにする。
その上で、従来の観光のイメージや表象研究で用いられてきた「まなざし」や「虚構」という概念を、観光の現場から再考することを試み る。