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部内共同研究プロジェクト

本プロジェクトの成果等

2016年5月10日 東アジア領域を対象とする異文化コミュニケーション研究

本プロジェクトの研究実績・内容(2016年5月10日まで)

議論構造の日韓対照研究: 2016年1月までに、質問紙の韓国語翻訳、人間を実験調査等の直接対象とする研究審査の承認、韓国成均館大学においてデータ(67名分の回答)収集を完了、2016年2月までに質問紙の韓日翻訳、3月−現在までデータ分析を行う。これらデータをすでに収集した日米のデータと比較した結果、判明したことは次の通りである。

 議論の構造を大きく2つの次元(直接的—間接的;複雑—簡潔)で捉えた4つの異なる指標の数値を比較したところ、いずれの指標においても、米韓は相対的に直接的・複雑な議論の構造を示し、二国間に差異が見られなかったのに対し、日本のデータは米韓いずれとも異なり、より間接的で簡潔な構造を示すことが分かった。この結果は、これまでの異文化コミュニケーション研究で、米国を含む西洋諸国と比較すると、類似点が多く指摘されてきた日韓の二つの文化圏において、議論というコミュニケーション行動に関しては共通点よりも相違点が際立っているという、予測に反した結果が得られたということができる。詳細な分析と考察は論文にまとめ、2016年9月に開催される異文化コミュニケーション学会で発表の予定である。

ヘッジの日韓対照研究:日韓の「許可求め」の使役形の使用範囲には違いがあることが示されたが、理論的な枠組みが欠けていたため、体系的に比較することができなかった。本発表では、Brown & Leivinson (1978/1987)の「フェイス侵害度見積もり公式」を理論的な枠組みとして用いて、「-(サ)セル」と「-게 하다」との間にある類似性と相違を考察した。そして、同じ行動でも日韓の文化による相手にかける負荷度(Rx)という変数の差によって、ポライトネスの表現方法が大きく異なることを説明した。この研究は、2015年10月開催の朝鮮学会第66回大会で発表された。

研究成果・業績等

論文(準備中)

1. Suzuki, Shinobu, “Discrepancy models of belief and confidence change: A test of information processing and self-validation predictions,” Communication Research.(条件付採択:改訂中)

口頭発表

1. 6/13/2015 日本コミュニケーション学会年次大会 (南山大学)

鈴木志のぶ「議論の構造的差異を説明する新たなモデル:オンライン・コミュニケーションの場合」

2. 9/19/2015 異文化コミュニケーション学会(桜美林大学)

鈴木志のぶ「オンラインの議論による参加者の認知的変化」

3. 10/4/2016 朝鮮学会第66回大会(天理大学)

李鳳「『許可求め』の使役形の『-(サ)セル』と『-게 하다』―ポライトネス理論の観点から―」

4.(採択:6/10/2016発表予定)Suzuki, Shinobu “Discrepancy models of belief and confidence change: A test of information processing and self-validation predictions,” 2016 Annual Convention of the International Communication Association(福岡市)(口頭発表2を改訂)