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- 職名:
- 教授
- 担当講座:
- 観光地域経営論
担当授業
観光創造論演習、文化資源マネジメント論演習
授業内容
観光創造論演習では、観光を地域社会、文化資源、メディア、そして人びとの移動が交差する創造的な実践として捉えます。学生は、観光に関わる現場の担い手や研究者との対話、事例分析、質的調査の設計を通して、観光がどのように地域の価値や課題を可視化し、新たな関係性を生み出すのかを考察します。
文化資源マネジメント論演習では、文化遺産、ポピュラーカルチャー、食文化、メディア・コンテンツ、地域の記憶などを「文化資源」として捉え、それらが観光の文脈でどのように保存・活用・再解釈されるのかを検討します。とくに、文化資源の商品化や消費に伴う倫理的課題、地域社会との関係、観光経験における感情や感覚の役割に注目します。
いずれの授業でも、学生が自ら問いを立て、資料を読み、現場を観察し、他者と対話しながら研究を組み立てていくことを重視します。既存の理論や成功事例を学ぶだけでなく、「なぜそれが観光として意味をもつのか」「誰にとって価値があるのか」「どのような声が見えにくくなっているのか」を批判的に考える力を養うことを目指します。
略歴・主要業績
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院観光創造専攻において修士(観光学)および博士(観光学)を取得。北海道大学国際本部学術研究員、北海道大学観光学高等研究センター博士研究員、北海道大学メディア・ツーリズム研究センター博士研究員を経て、広島大学大学院人間社会科学研究科講師・准教授を務めた。
主な業績として、共著書 *Contents Tourism in Japan: Pilgrimages to “Sacred Sites” of
Popular Culture*、共著書 War as Entertainment and Contents Tourism in Japan、論文
“Staging mediatized tourism places as imagined playscapes: The crucial role
of a tour designer”
などがある。また、文化遺産観光、ゲーム・アニメ・ドラマ等を契機とする観光、戦争記憶とツーリズム、食文化と観光経験、AI時代における観光地イメージの生成など、観光研究の領域を横断する研究を進めている。
電子メール
jang_kj@cats.hokudai.ac.jp
研究領域
コンテンツ・ツーリズム、メディア・ツーリズム、多感覚観光、デジタル・エスノグラフィー
研究コラム
物語・感覚・記憶がつくる観光経験
観光とは、単に「どこかへ行く」ことだけではありません。人は、映画やアニメ、ドラマ、小説、ゲーム、音楽、食、香り、風景、あるいは誰かの記憶に触れることで、まだ訪れたことのない場所に惹かれることがあります。私の研究は、こうした物語・感覚・記憶がどのように観光経験を生み出し、地域の意味を変化させていくのかを明らかにしようとするものです。
たとえば、ポピュラーカルチャー作品に登場する場所は、ファンにとって単なるロケ地ではなく、登場人物の感情や自分自身の記憶を重ねることのできる特別な空間になります。一方で、文化遺産や戦争の記憶をもつ場所が観光地化されるとき、そこには楽しさや消費だけでは説明できない複雑な倫理的問題も生じます。観光は地域を活性化する力を持つ一方で、誰かの記憶や痛みを商品化してしまう危うさも持っています。
近年は、オンラインレビュー、SNS、生成AI、VR、ゲーム空間など、デジタル技術が観光地のイメージや経験を大きく変えています。現実の場所を訪れる前から、人びとはすでに画面上でその場所を想像し、評価し、感情的に関わっています。そこで問われるのは、「本物の観光」とは何かという単純な問題ではなく、現実と想像、場所とメディア、人間の感覚とテクノロジーがどのように結びついて観光経験を形づくるのかという問題です。
観光研究のおもしろさは、一見すると日常的で身近な現象のなかに、社会、文化、政治、経済、感情、記憶が複雑に折り重なっている点にあります。学生の皆さんには、自分が「おもしろい」「気になる」「なぜだろう」と感じる小さな違和感を大切にしながら、観光を通して社会を読み解く視点を育ててほしいと思っています。
検索用タグ
ツーリズム
