理念、実践、共創としての「観光/ツーリズム」

「観光創造研究」というユニークな名称には、「観光/ツーリズム」に対する私たちの認識と視座が込められています。それは、狭義の観光学の枠にとどまることなく、時代性と普遍性を併せ持つ「理念」「実践」「共創」としての「観光/ツーリズム」の意義を追究し、持続可能な世界の成長と平和の実現に資する研究領域を構築していこうとする試みです。

このような姿勢は、本大学院のカリキュラムにおいても明確に示されています。「観光文化」「交流共創」「観光地域経営」「国際観光開発」の四つの専門コースおよびコース融合型の専門科目群では、社会学、人類学、地理学、文化研究、地域研究、経営学、歴史学、メディア研究、芸術学、造園学、森林美学、政策研究、考古学、法学など、さまざまな学問領域を横断する学際的な授業が展開されています。

また、北海道大学が誇る観光学高等研究センター(CATS)やデスティネーション・マネジメント育成プログラム、さらには国内外の多様な教育研究機関や民間組織との連携・協働を通じて、理論と実践、大学と地域、北海道と世界を結ぶ専門的かつ実証的な学びの機会を提供しています。

2007年の開設以来、「観光創造研究」という言葉に込められた意味と内容は、このコースに関わってきた多くの教員や学生の研究・教育活動を通して、具体的かつ豊かに育まれてきました。この理念に共鳴し、新たな可能性を切り拓いていく意欲ある皆さんの参加を心よりお待ちしています。